町内の全保育施設にて、「おむつカンパニー」の導入を決めた、福井県・南越前町。2ヶ月のトライアル期間を終え、アンケートでは満足度97.8%という結果に! 同町保健福祉課の桑島みゆきさんに、お話をおうかがいしました。
南越前町では2021年の秋から、「職員政策提案制度」を採用しています。中堅・若手の職員から、健康作りや子育て支援、高齢者支援についての事業提案を募集し、優秀なものは町施策として採用する、という制度です。そのなかのひとつに「保護者の負担を軽減するために、保育園でのおむつ提供」という提案がありました。この提案が優良賞を獲り、保育園おむつについて保健福祉課としてリサーチをするなかで、「おむつのサブスク」というサービスを知り、検討するに至ったという経緯があります。
もちろん、いくつかのサブスクを比較しました。その結果、他社と比べて「おむつカンパニー」は、品質と値段が魅力的だと感じました。しかし、実際におむつを利用するのは保育施設なので、まずは無料トライアルにて、保育現場の声や、保護者からの意見を集めてみることにしました。
おむつのサブスク導入に合わせて、使用済みおむつの持ち帰りもなくし、各施設で使用済みおむつを処分する、園廃棄へと切り替えました。これまでの保育園おむつに関する流れが大きく変わるわけですし、サブスク利用園児とそうでない園児が混在して混乱しないかなど、トライアル実施前は様々な懸案点がありました。
トライアル実施後、保育士からは「紙おむつのストック管理が楽」、「おしりふきの使い勝手がよい」など、好意的な意見が多く寄せられています。サブスク導入と同時に進めていた、使用済みおむつの園廃棄についても「おむつの処分を一括して園で行うことで、名前を確認しながら袋に入れる作業がなくなって負担が軽減された」との声がありました。
ミラフィールのおむつは、一般的なほかのおむつと少し仕様が異なります。おむつ換えのシーンで、「ほかのおむつと扱い方が違うことに戸惑っていた保育者もいた」と聞きます。しかし、そこは慣れてくれば解消する問題かと思います。また、これまではおむつが箱単位で園に届くという流れではなかったので、「発注したおむつの箱を一時的に保管する場所に迷っている」という声も。これらの点は、トライアル期間で試行錯誤しながら、それぞれの現場で流れを整えています。
2ヶ月のトライアルを終えた満足度アンケートで、「とても満足」「やや満足」と回答があった保護者が全体の97.8%でした。導入した際の利用希望は、0・1歳児で94.1%と非常に高く、驚きました。2歳児はトイレトレーニングをしている子などもおり40%でしたが、それでも、多くの保護者たちにとって、「おむつカンパニー」の導入で日々の負担が軽減されることがわかりました。
町長が職員に募集し、保護者の声を踏まえて提案された事業であるということと、子育てに優しい町にしていきたいという思いがあって、町として予算化しようということになりました。利用に応じた費用負担と子育て支援とのバランスを考慮し、月1,000円お支払いただき、残りを町で負担しております。南越前町は、共働き世帯が多く、保育園にお子さんを通わせているご家庭が多いんです。そのような方達に、すこしでも快適に保育園を利用していただければ、そして今後もたくさんの若い方が定住してくれたらと願っています。
トライアルをすることで、保育者や保護者からの忌憚のない意見を聞け、実際の流れや導入後のイメージがつかめたのだと思います。費用面については各自治体で事情が異なると思いますが、やはり、町からの費用一部負担があるからこその加入率の高さ、満足度の高さだと感じています。実際にサービスを使った声を聞くと、保育者、保護者ともにポジティブなものが多く、町としても嬉しく感じています。